- 2025/03/23
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機械加工技能士とは?資格の取り方や仕事内容、向いている人の特徴を解説

機械加工技能士の仕事を目指す方にとって、資格取得は重要なステップです。
本記事では、機械加工技能士の役割や求められるスキル、資格を取得する際の手続きや試験内容、そして資格を持つことで得られるメリットについて詳しく解説します。
また、機械加工技能士として活躍するための特性についても触れ、将来的なキャリア形成に役立つ情報を提供します。
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機械加工技能士とは?

機械加工技能士とは、工作物を切削したり研磨して形を整える、機械加工の技能を証明する国家資格です。
そのため、これから機械加工技能士として働きたい方は、ぜひ取得しておきたい資格です。
試験は都道府県の職業能力開発協会が実施しており、資格は3級・2級・1級・特級の4階級に分かれています。
ここでは、受験資格や受験料、試験内容、合格率、試験日程について紹介します。
受験資格
機械加工技能士は、以下のように階級によって受験資格が異なります。
3級 | 不問 |
2級 | 実務経験2年以上 |
1級 | 実務経験7年以上 |
特級 | 1級合格者で5年以上の実務経験者 |
参考:中央職業能力開発協会
3級は特別な受験資格はありませんが、2級からは実務経験が必要です。
また、1級を受験する場合は、学歴によって必要な実務経験年数が変わるため、注意が必要です。
受験料
受験手数料の標準金額は、実技試験が18,200円、学科試験が3,100円です。
ただし、受験手数料は都道府県によっても異なるため、正式な金額は各都道府県の職業開発協会に問い合わせましょう。
参考:中央職業能力開発協会
試験内容
機械加工技能士の試験には学科試験と実技試験があり、階級別の試験内容は以下の通りです。
学科試験 | 実技試験 | |
3級 | 工作機械加工一般機械要素機械工作法材料材料力学製図電気安全衛生 【選択科目】旋盤加工法フライス盤加工法研削盤加工法マシニングセンタ加工法けがき作業法 | 【選択科目】普通旋盤作業数値制御旋盤作業フライス盤作業平面研削盤作業マシニングセンタ作業けがき作業 |
2級・1級 | 機械要素工作機械加工一般機械工作法材料材料力学製図電気安全衛生 【選択科目】旋盤加工法フライス盤加工法ブローチ盤加工法ボール盤加工法中ぐり盤加工法研削盤加工法歯切り盤加工法ラップ盤加工法ホーニング盤加工法マシニングセンタ加工法精密器具製作法けがき作業法 | 【選択科目】普通旋盤作業数値制御旋盤作業立旋盤作業フライス盤作業数値制御フライス盤作業ブローチ盤作業ボール盤作業数値制御ボール盤作業横中ぐり盤作業ジグ中ぐり盤作業平面研削盤作業数値制御平面研削盤作業円筒研削盤作業数値制御円筒研削盤作業心なし研削盤作業ホブ盤作業数値制御ホブ盤作業歯車形削り盤作業かさ歯車歯切り盤作業ラップ盤作業ホーニング盤作業マシニングセンタ作業精密器具製作作業けがき作業 |
特級 | 工程管理作業管理品質管理原価管理安全衛生管理および環境の保全作業指導設備管理機械加に関する現場技術 | 工程管理作業管理品質管理原価管理安全衛生管理作業指導設備管理 |
参考:中央職業能力開発協会
合格率
厚生労働省による令和5年度の資料によれば、機械加工技能士の受験申請者数は18,439人で、合格者は10,965人となり、合格率はおよそ60%です。
参考:厚生労働省
なお、機械加工技能士試験の合格基準は、100点満点中実技試験が60点以上、学科試験が65点以上です。
参考:中央職業能力開発協会
試験日程
技能検定試験は、前期・後期に分けて実施されます。
技能検定の実施日程は、概ね以下のとおりです。
前期 | 後期 | |
実施公示 | 3月上旬~下旬 | 9月上旬 |
受検申請受付 | 4月上旬~4月中旬 | 10月上旬~10月中旬 |
実技試験 | 6月中旬~9月上旬 | 11月下旬~翌年2月下旬 |
学科試験 | 7月末~9月上旬 | 翌年1月末~2月中旬 |
合格発表 | 8月末(3級)・10月上旬 | 翌年3月中旬 |
参考:中央職業能力開発協会
機械加工技能士の仕事内容

機械加工技能士が携わる仕事は、主に以下の4つです。
- NC旋盤工
- NC研削盤工
- NCフライス盤工
- マシニングセンター・オペレーター
それぞれについて解説します。
NC旋盤工
NC旋盤工は、数値制御を用いて金属の旋削加工を行う専門職で、以下のような作業が含まれます。
- プログラムの作成
- 機械の操作と管理
- 製品の検査
プログラムを通じて旋盤を制御し、さまざまな形状の部品を作り上げるのが主な仕事です。
加えて、製品の品質を保証するために、適切な検査と管理も行います。
そのため、部品の製造において高精度な加工や作業の正確さが重要であり、微調整の能力も必要です。
NC研削盤工
NC研削盤工は、NC(数値制御)研削盤を用いて金属材料を研削加工する専門技術者です。
仕事には、以下のような作業が含まれます。
- プログラムの作成と調整
- 機械の操作とメンテナンス
- 製品の品質管理
NC研削盤工は、精密な研削加工を実現するために、機械の設定やプログラムの作成を行います。
業務では、研削盤を使用することで、高い精度で均一な表面仕上げが可能です。
加えて、異なる材質や形状に応じて、研削条件を調整する役割も担っており、製品の品質管理も重要な立ち位置の仕事です。
NCフライス盤工
NCフライス盤工は、数値制御フライス盤を用いて金属の切削加工を行う技術者で、以下のような作業が含まれます。
- 加工図面の確認
- プログラムの作成
- 機械の操作と段取り
NCフライス盤工は、加工図面に基づき、フライス盤を用いて精密な切削加工を行います。
具体的には、加工の目的に応じて、適切なフライス盤を選定し、プログラムを作成します。
なお、NCフライス盤工の仕事では、機械の正確な操作と迅速な段取りが求められます。
加工の精度を維持するために、工具の選定や設定も重要です。
マシニングセンター・オペレーター
マシニングセンター・オペレーターは、マシニングセンターを操作し、金属加工を行う専門職で、以下のような作業を行います。
- 加工プログラムの作成
- 機械の段取りと操作
- 工具の選定と管理
マシニングセンター・オペレーターは、図面に基づき、加工手順を決定し、プログラムを作成します。
加えて、機械を操作しながら、金属の性質に応じた加工を行います。
業務では、自動的に工具を交換する機能を活用し、効率的な加工が可能です。
なお、加工の精度を維持するためには、工具の選定と管理も欠かせません。
機械加工技能士の資格を取得するメリット

機械加工技能士の資格を取得するメリットは、以下の通りです。
- 機械加工の技術・知識を証明できる
- 社内からの評価を得られる
- 就職・転職の際に有利になる
一つずつ解説するので、資格の取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
機械加工の技術・知識を証明できる
機械加工技能士の資格を取得することで、機械加工の技術と知識を客観的に証明できます。
以下の点がその具体的なメリットです。
- 技術力を第三者に示せる
- 業務の信頼性が向上する
そのため、資格を持つことで他者からの信頼を得やすくなり、業務の幅が広がります。
資格取得は個人の技術向上だけでなく、企業内での役割拡大にもつながるため、取得がおすすめです。
社内からの評価を得られる
機械加工技能士の資格取得は、社内での評価を高める要素となります。
具体的には以下の効果があります。
- 専門性の高さが認められる
- 昇進や昇給の機会が増える
資格は専門性を示す重要な証拠であり、社員のスキルアップを支えるものです。
資格を取得することで社内においての地位向上が期待できます。
特に、機械加工の分野では経験と知識が重視されるため、資格を持つことでその価値がさらに増します。
就職・転職の際に有利になる
機械加工技能士の資格は、就職や転職時に大きなアドバンテージとなります。
具体的には以下の利点があります。
- 求人の選択肢が広がる
- 希望する職種に就きやすくなる
企業側も技能士資格を持つ人材を重視することが多く、採用時の評価が高まります。
特に、機械加工の技術職は専門性が求められるため、資格を持つことで他の応募者との差別化が可能です。
機械加工技能士に向いている人の特徴

以下の特徴に当てはまる方は、機械加工技能士に向いています。
- 繊細な作業が好きな人
- 同じ作業でも長時間コツコツ続けられる人
- 最先端技術を支える仕事をしたい
機械加工技能士の仕事に就きたいと思っている方は、自分に当てはまるか確認してみてください。
繊細な作業が好きな人
機械加工技能士には、繊細で精密な作業を楽しむことができる人が向いています。
以下のような特徴があると、仕事において高いパフォーマンスを発揮できるでしょう。
- 細かい作業に集中できる
- ミリ単位の精度を維持することが得意
- 計画的に作業を進めることができる
このような性質は、機械加工の精度や品質を高める上で非常に重要です。
機械加工技能士は、金属や素材をミリ単位で加工するため、高い精度が求められます。
繊細な作業を通じて、製品の仕上がりを左右するため、責任感と達成感を持って仕事に取り組むことができるでしょう。
同じ作業でも長時間コツコツ続けられる人
機械加工技能士は、反復的な作業を根気よく続けることが得意な人に向いています。
以下のような特徴を持つ人は、業務をスムーズに遂行できます。
- 集中力が持続する
- 細かい変化を見逃さない
- 忍耐強く作業できる
これらの特性は、機械加工の現場での効率や品質を左右します。
長時間にわたって同じ作業を続けることが求められるため、飽きずに作業に没頭できることが重要です。
また、集中力の維持と忍耐力は、製品の一貫性を保ち、高品質な仕上がりを可能にする要素です。
機械加工技能士としてのキャリアを築く上で、これらの特性は大きな武器になります。
最先端技術を支える仕事をしたい
機械加工技能士は、最先端技術を支えることに興味がある人にとって理想的な職業です。
以下のような意欲や興味を持つ人が活躍できるでしょう。
- 技術革新に興味がある
- 最新の機械や技術を学びたい
- 産業の基盤を支えたい
このような姿勢は、技術革新の最前線で活躍し、産業を支える役割を果たすために重要です。
機械加工技能士は、最新の技術や機械を駆使して、高度な製品を生み出します。
技術革新に関心を持ち、学び続ける意欲があれば、機械加工技能士としてのキャリアは充実したものになるでしょう。
まとめ
機械加工技能士は、高度な技術と知識を活かして製造業で活躍できる職種です。
資格取得はキャリアを後押しし、さらなるスキルアップや職場での信頼を得ることができます。
本記事で紹介した仕事内容や資格の必要性、取得のメリットなどを参考に、キャリア形成に役立ててください。
また、機械加工技能士としての可能性を広げるために、ぜひ資格取得を検討してみてください。
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