2024/07/01

鉄とステンレスの特徴と種類を解説

鉄とステンレスは、私たちの日常生活に欠かせない金属材料です。この記事では、鉄とステンレスの各特徴と種類、そしてその違いを解説します。まず鉄の基本情報から始め、次にステンレスの特性と利点に触れていきます     最後には日興精機での鉄の製品とステンレスの製品の加工事例を掲載します 今後の皆さんの生産活動の参考にしていただけたらと思います

1. 鉄の特徴と基本情報

鉄は、日常生活や産業において極めて重要な金属のひとつです。鉄はその強度と耐久性から、建設や製造業をはじめとする多くの分野で利用されています。また、鉄は地球の中心に多く存在し、地球の磁場形成にも関与しています。私たちの身の回りにも、鉄製品は無数に存在しており、その恩恵を日々受けているのです。

1.1. 鉄とは何か 金属の基礎知識

鉄は、元素記号Feで表される化学元素であり、周期表では6番目に豊富な元素です。産業革命以降、鉄は工業化の中心に位置づけられ、技術の発展に大きく寄与しました。

鉄は、硬度が高く、加工しやすい特性を持つため、建設資材や機械部品、工具などに広く使われます。また、鉄は磁性を持つ金属であり、磁石としても利用されます。

鉄は酸化しやすい性質があり、錆が発生しやすいです。これが弱点とも言えますが、適切な防錆処理を施すことで、長期間使用できます。このように、鉄は多様な特性を持ち、それに応じた利用方法も多岐にわたるのです。

1.2. 鉄の主要な種類とその分類

鉄は、その性質と用途に応じて、いくつかの種類に分類されます。まず、純鉄や炭素含有量の少ない軟鉄があります。これらは柔軟性があり、成形しやすいです。

次に、鋼として知られる鉄合金があります。炭素含有量を上げることで、強度や硬度が増します。鋼は建設や機械製造に広く使われています。ステンレス鋼は、クロムやニッケルを添加することで、耐錆性能を高めたものです。

鋳鉄は、炭素含有量が高く、硬くて脆い特徴があります。このため、エンジンブロックや管道に用いられます。こうして、鉄は用途ごとに最適な形で加工され、多様な分野で活躍しています。

1.3. 鉄の化学的性質と物理的性質

鉄の化学的性質には、酸化しやすい性質があります。空気中の酸素と反応して錆を生じます。これを防ぐため、塗装やコーティングが施されることが一般的です。

物理的性質としては、鉄は非常に強度が高い金属で、引っ張り強度や耐衝撃性が優れています。また、磁性を持つため、磁石の材料としても利用されます。

鉄の溶融点は約1538℃であり、これは多くの金属の中でも高いです。このため、鉄は高温でも形状を保つことができ、熱処理によってその物理的特性を調整することが可能です。鉄の特性を理解することは、その利用方法を最適化し、新しい応用を見つける鍵となります。

2. ステンレスの特徴とその利点

ステンレスは、耐腐食性に優れた素材であり、錆びにくく、長持ちすることで知られています。そのため、キッチン用品や建築材料、医療機器など、さまざまな分野で利用されています。さらに、美しい光沢とシンプルなデザインが特徴で、見た目にも優れています。これらの利点から、ステンレスは日常生活に欠かせない素材となっています。

2.1. ステンレスとは何か

ステンレスとは、鉄を主成分とし、クロムをはじめとする複数の元素を添加した合金です。このクロムが酸化防止層を形成し、錆びにくくする役割を果たします。ステンレスの名称は、英語の「Stainless Steel」に由来し、「錆びにくい鋼鉄」という意味です。

また、ステンレスは、強度や耐熱性にも優れているため、過酷な環境でも性能を維持します。たとえば、料理や熱処理が必要な作業環境でも使用されます。さらに、低温にも耐える特性があり、冷凍庫や冷蔵庫内でも変化しません。そのため、食品関連の業界でも重宝されています。

最後に、ステンレスの美しい光沢は、多くのデザイナーにも支持され、インテリアやファッションでも利用されています。これにより、ステンレス製品は機能と美しさを兼ね備えた素材として広く認識されています。

2.2. ステンレスの種類とその分類

ステンレスには、用途や性質に応じてさまざまな種類があります。最も代表的な分類法としては、オーステナイト系、フェライト系、マルテンサイト系があります。オーステナイト系は、耐腐食性と加工性に優れ、日常の家庭用品や医療機器に多く使用されています。

一方、フェライト系は特に磁性が強く、機械部品や自動車業界での活用が進んでいます。この種類は、熱膨張の特性が低いため、高熱下でも比較的安定しています。また、マルテンサイト系は、剛性と硬度が特徴です。特に刃物やバネなど、強度が求められる製品に適しています。

さらに、二重構造の二相ステンレス(デュプレックス)は、オーステナイト系とフェライト系の利点を兼ね備えており、耐食性と強度が高いです。これは、化学プラントや海洋環境など、過酷な環境で使用されています。こうした多様な種類と分類により、ステンレスは幅広いニーズに応えています。

2.3. ステンレスの化学的性質と物理的性質

ステンレスの化学的性質は、主にクロムやニッケルの添加によって決まります。クロムの含有量が高いほど、酸化防止層が形成され、耐腐食性が向上します。この酸化防止層は自己修復能力を持ち、一度傷ついても自身で復元します。

さらに、ステンレスにはモリブデンやチタンが添加されることもあり、これらの元素が耐酸性や耐高温性を強化します。たとえば、モリブデンが添加されたステンレスは、塩素環境下でも腐食に強いです。また、チタン添加ステンレスは、溶接後の結晶粒成長を抑制し、高温強度が向上します。

物理的性質としては、ステンレスは高い引張強度を持ち、機械的な耐久性に優れます。さらに、低温でも脆くならず、常温から低温まで広い範囲で使用可能です。その硬度は、加工方法や熱処理によって調整可能で、多様に利用されています。こうした特性がステンレスの広範な応用を支えています。

3. 用途別に見る鉄とステンレスの選び方

鉄とステンレスは、多様な用途に応じて使い分けられる素材です。まず、鉄はその強度と加工のしやすさから建築用材料として広く利用されます。一方、ステンレスは錆びにくい特性を持ち、耐久性に優れるため、キッチン用品や医療機器、そして自動車産業において多く採用されます。用途に応じてそれぞれの素材の特性を理解することが、最適な選択をするために重要です。

3.1. 建築用材料としての鉄とステンレス

鉄はその高い強度と加工のしやすさから、建築用材料として広く使われます。特にビルや橋などの大型構造物には、鉄骨が多く使われます。鉄骨はその堅牢さから、地震や風災害にも耐えうる特性を持ちます。加えて、鉄はコストが比較的低いため、大規模な建築プロジェクトでも予算内に収めやすいのが利点です。

しかし、鉄には錆びやすいという欠点があります。対して、ステンレスは錆びにくい特性を持っており、外装材や内装材としても使用されます。特に、都市部では鉄とステンレスを組み合わせることで、景観を損なわず、耐久性を確保する方法が普及しています。また、ステンレスは美しい光沢を持つため、デザイン性も高い評価を得ています。

総じて、建築において鉄とステンレスは互いの特性を補完し合い、最適な材料選定が可能となります。用途に応じて両者の特性を十分に理解し、選び分けることが成功の鍵です。

3.2. キッチン用品における鉄とステンレスの違い

キッチン用品では、鉄とステンレスが異なる特性を持ちます。鉄は熱伝導率が高く、調理器具として非常に優れています。特に鉄のフライパンや鍋は、食材に均一に熱を伝えるため、焼き物や炒め物に適しています。また、鉄製の調理器具は使い込むほどに油がなじみ、自然なコーティングができるのも特徴です。

一方、ステンレスは錆びにくく、耐久性が高いので、キッチンシンクやカトラリー、保存容器などに適しています。ステンレス製の調理器具はメンテナンスが容易で、長持ちします。特に衛生面においては、錆びないことが大きなメリットです。清潔な状態を保ちやすいため、食品の保存や調理において安心して使用できます。

さらに、ステンレスは美しい光沢を持ち、見た目もスタイリッシュです。デザイン性に優れることから、現代的なキッチンには欠かせない素材と言えます。このように、鉄とステンレスはそれぞれの特性を生かして使い分けることが、快適で効率的なキッチン環境を作り上げる鍵となります。

3.3. 自動車産業における鉄とステンレスの使用例

自動車産業でも鉄とステンレスは、それぞれの特性を活かして使用されています。鉄は車体の骨格部分に多く使われ、その高い強度と加工のしやすさが求められます。特に、シャーシやサスペンション部品では、耐久性とコスト面で有利な鉄が主流です。

一方、ステンレスはその錆びにくい特性から、外装部分やエンジン内部のパーツに使用されます。たとえば、エグゾーストシステムや燃料タンクなどにはステンレスが使われることが多いです。また、ステンレスは耐熱性も高いため、高温にさらされるエンジン部品にも適しています。エンジン性能を維持するために、ステンレスの使用は欠かせません。

まとめると、自動車産業では鉄とステンレスの特性を最大限に活かし、適材適所で使用されています。このような材料の選定は、車両の安全性、耐久性、そしてコストパフォーマンスを実現するために不可欠です。鉄とステンレスのバランスの取れた使用が、現代の自動車技術を支えています。

鉄製品加工事例

こちらの製品はSk材という治具とかによく使われるものです 熱処理をするととても固くなります              熱処理前に研磨の取り代のみを残して最後に研磨を必要な個所にします 面粗度などもかなりきれいに出ます       ただ難点は熱処理の変化、曲がりなどを考慮しないといけないことです                      鉄は、材質、熱処理、表面処理の幅が広いのでいろいろな用途に分けて様々な選択が可能です               品質や用途で困っている場合は 形状だけでなく 材質、熱処理、表面処理から見直すのもありかもしれません

ステンレス加工事例

こちらはステンレスを使用した製品になります 切削、研磨という工程をしています ステンレスは金属としての安定感がありますので 錆びにくい特徴があります 過酷な環境で使用する部品の場合は鉄よりもまずステンレスを検討するといいと思います 最近は ステンレスにもいろいろ種類があり それぞれ特徴があるので 使用する状況に応じて選定いただけたらと思います 鉄よりも材料の値段はかなり高いので ここぞという場所に使用するのをお勧めします

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